湘南の古都鎌倉
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最終更新日 2024:12:01 湘南の天気予報 只今の時間  2024年12月15日(日)04時16分

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鎌倉散策道【長勝寺・妙長寺・来迎寺】
長勝寺
(ちようしようじ)〈日蓮宗〉

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 桜並木の参道の奥に宝珠をのせた大屋根の本堂かおり、その前に四天王像に守られて日蓮聖人像が立っている。東京洗足池から移された高村光雲の傑作である。ここは当地の領主石井長勝が1263(弘長3年)に日蓮のために開いた草庵に始まると伝わる古刹。本堂の南側の法華堂から石段を登ると、昭和35年に事故死した俳優赤木圭一郎の像かおり、さらに登った鎌倉材木座霊園の奥に碑も立っている。
この霊園から老人福祉センターの前を通って名越へ下る途中にも日蓮の松葉ガ谷草庵跡と伝わる地かおり、聖人像が立っている。
 弘長3(1263)年、日蓮聖人に帰依して出家した名越の領主石井長勝が自分の邸宅を提供し、日蓮聖人を開山として建立。一説には日蓮聖人の最初の小庵は長勝邸近くとも伝わるが詳細は不明。
 日蓮聖人の松葉ケ谷法難の跡という伝承が伝わる。日蓮聖人(1222〜1282)に帰依していた石井藤五郎長勝(いしいとうごろうながかつ)が、流されていた伊豆から鎌倉に戻った日蓮聖人のために結んだ庵を寄進、これが寺の起源となった。
 桜並本の参道の正面には、帝釈天をまつる大堂、帝釈堂がある。
 1260(文応1)年の松葉ガ谷の法難のとき、帝釈天は白い猿に姿を変えて日蓮を避難させたという。
 〈帝釈天〉は古代インド神話の最強の神で、仏教に取り入れられて須弥山(仏教で宇宙の中心をなすという巨大な山)の山頂の宮殿に住して仏法を守護しているとされる。
 境内に入ると高村光雲作の巨大な日蓮聖人像に迎えられる。
住所 鎌倉市材木座2−12−17
電話  0467-25-4300
拝観料 無料
拝観時間  特になし
アクセス  JR鎌倉駅東口から徒歩25分
JR鎌倉駅東口
より緑ヶ丘入口行きバス、長勝寺下車徒歩3分
長勝寺・寺史 : 【鎌倉史・源氏から北条氏滅亡の軌跡】 
宗派   日蓮宗
山号寺号  石井山長勝寺(せきせいざんちょうしょうじ)
創建   1263(弘長3年)
開山  日蓮大聖人
開基    石井長勝
本尊
寺宝
 法華三昧堂のほか日蓮大聖人像、鎌倉時代の作という不動明王画像、日蓮聖人が使用した三つ組繰り膳、燭台一対、鰐ロー懸などがある。
 境内に入ると高村光雲作の巨大な日蓮聖人像に迎えられる。それを取りかこむように四天王像が造立されている。〈四天王〉は、帝釈天に仕え須弥山の中腹で四方を守る持国天・増長天・広目天・多聞天のことである。この配置は、仏教の宇宙観を意図したものなのだろうか。
 いずれにしても、この群像が醸しだす特異な雰囲気は鎌倉の他の寺では味わうことができない。
 一方、それと対照をなすかのように、室町時代に建てられたという法華堂が伝えられている。
 県重要文化財の法華三昧堂(ほっけさんまいどう)は、鎌倉時代特有の五間堂という建築様式の貴重な建物。
 毎年2月12日に行われる國祷会はよく知られる。千葉県にある法華経寺での荒行を終えた僧たちが、ここで冷水を頭から浴びる荒行を行う。これは鎌倉の冬の風物詩ともなっている。
 境内には参道沿いに桜の並木が続く。また、背後の高台にある材木座霊園からは材木座海岸と江の島が見渡せる。
 長勝寺前のふみきりから横須賀線沿いの小道をしばらく逗子方面へと進むと、鎌倉五名水の一つといわれる日蓮乞水がある。鎌倉で布教を始めた日蓮が、ここに杖を突きさしたところ水が湧きだし、喉の渇きをいやすことができたという。
妙長寺
(みょうちょうじ)(日蓮宗)

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 開山の日実上人は、伊豆で日蓮の命を救った漁師、舟守弥三郎の子(一説には本人)であり、後に鎌倉を訪れた彼は沼浦に一堂を建立した。これが妙長寺の始まりという。
 1878(明治11年)建立の鱗供養塔は、鎌倉、逗子、三崎の漁師や魚商たちの手によるもの。
 古くから庶民に親しまれてきた寺であることがわかる。
 『高野聖』などで知られる作家・泉鏡花は、1891(明治24年)のひと夏をこの寺で過ごした。
 その時のことを小説『みだれ橋』(後に『星あかり』と改題)に書いている。「・・・雨戸の中は、相州西鎌倉乱橋といふ、法華宗の寺の、本堂に隣あった八畳の、横に長い置床の附いた座敷で・・・」
住所 鎌倉市材木座2−7−41
電話  0467-22-3544
拝観料 無料
拝観時間  特になし
アクセス  JR鎌倉駅東口より九品寺循環バス水道路下車徒歩1分
妙長寺・寺史 : 【鎌倉史・源氏から北条氏滅亡の軌跡】
宗派  日蓮宗
山号寺号  海潮山妙長寺(かいちょうざんみょうちょうじ)
創建   1299(正安元年)
開山   日実上人
開基    日実上人
本尊 三宝祖師
 日実によって1299(正安1)年に開創されたいう、日蓮宗の寺院。
 日実は、1261(弘長1)年、幕府に捕えられて伊豆伊東に流罪になった日蓮を救った境内には、日蓮の伊豆法難を記念して建立された高さ11メートルの相輪塔がある。石塔には、関東大震災で倒壊した若宮大路ニノ鳥居の一部が使われている。山門脇には、近年建立された日蓮上人像が立っている。
 妙長寺は1299(正安元年)、舟守弥三郎の子(一説に本人)といわれる。もとは伊豆流罪の船出地、由比が浜の沼浦という所にあったが、津波による被害を受けたため1618(天和1)年以降に現在地に移ったという。
 現在の場所に移転した。寺伝によると、沼浦とは伊豆流罪となった日蓮上人の船出の場所といわれ、境内にはその船の6分の1の模型も置かれている。
 境内には、日蓮の伊豆法難を記念した相輪の形をした塔が建てられている。〈相輪〉は、三重塔・五重塔などの屋根の頂に載せられた装飾物のことをいう。
 道をへだてて日蓮宗の啓運寺がある。開山は妙法寺11世住持、啓遅日澄という。
 開山の日実上人は、伊豆で日蓮の命を救った漁師、舟守弥三郎の子(一説には本人)であり、後に鎌倉を訪れた彼は沼浦に一堂を建立した。これが妙長寺の始まりという。
 明治11年(1878)建立の鱗供養塔は、鎌倉、逗子、三崎の漁師や魚商たちの手によるもの。
古くから庶民に親しまれてきた寺であることがわかる。
来迎寺 (らいこうじ)(時宗)

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 源頼朝が1194(建久5)年、三浦義明の菩提のたぬ建立した真言宗の能蔵寺を前身とする寺院である。その後、音阿が時宗に改め、寺名も来迎寺にしたという。義明(1092〜1180)は、石橋山の合戦に敗れた頼朝のもとに一族を向かわせ、自らは衣笠城に1人とどまって平氏の追討軍に討たれたという。本尊は義明の守り本尊と伝える阿弥陀三尊像で、境内には義明墓という五輪塔がある。
住所 鎌倉市材木座2−9−19
電話  0467-22-4547
拝観料 無料
拝観時間  9時30分〜16時30分
アクセス  JR鎌倉駅東口より九品寺循環バス、五所神社下車徒歩5分
来迎寺・寺史  : 【鎌倉史・源氏から北条氏滅亡の軌跡】 
宗派  時宗藤沢清浄光寺末(とうたくしょうじょうこうじまつ)
山号寺号  随我山来迎寺
創建   1194(建久5年)
開山   音阿上人
開基   
本尊 阿弥陀三尊
寺宝
 本尊木造阿弥陀三尊立像の他、義明と多々良三郎の五輪塔、応永・正長年銘などの宝篋印塔、子育て観音像。
 材木座の来迎寺には、もともと源頼朝が三浦大介義明(みうらおおすけよしあき)の菩提を弔うため、1194(建久5年)に建立した真言宗能蔵寺があった。
 開山の音阿上人が時宗に帰依したため、1335(建武2年)に改宗、来迎寺となった。鎌倉三十三所観音霊場第五番札所。
 三浦半島の衣笠城主だった義明は、頼朝旗揚げの時に畠山重忠の軍勢と闘い、89歳で戦死。頼朝は、義明が17回忌まで生きたものと見なすよう伝えたため、義明は「百六つ義明公」とも呼ばれている。義明の武功を讃えるかのように、境内には義明の木像と五輪塔墓もある。また本堂の裏手には三浦一族の墓、100余基の五輪塔が並ぶ。
 本尊は義明の守り本尊といわれる阿弥陀三尊像で運慶の作とされている。
 この寺には、智恵のある良い子を育てるといわれる子育て観音もあり、庶民の寺として親しまれている。
 また、人って右手にはミモザの木が植えられており、三月の彼岸の頃には見事な花が咲きはこる。
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