●体のつくりを調べてみよう メダカの□は、キンギョやフナの□とくらべると、ついている位置や形がちがいます。□のつくりを調べて、くらべてみましょう。ひれは、メダカのオスとメスとで、形が異なります。ひれの形とつかい方を観察して、そのちがいを調べてみましょう。 ●メダカのすみかをさがそう 昔はどこにでもいたメダカですが、現在では絶滅を危惧されるほどへりました。あなたの住んでいる地域の水辺を調べ、メダカがいるか確かめてみましょう。 メダカがいる場所がわかったら、どんな場所か調べ、どうすればメダカを保護できるか考えてみましょう。 ● メダカのフィールドワーク もしメダカを見つけたら、ノ−トに記録をつけましょう。 まず、年月日、天気(気温・水温)、場所を書きます。そして、メダカのいた場所の水のようす、水底のようす、まわりにあったもの、群れの大きさ(数えられたら数)も記録しておきましょう。 ●メダカの特徴 ヒメダカにも、黒っぽいもの、ぶちになっているものなどが混じっていることがある。よく見てみよう。 ヒメダカ以外にも変わった色をしたメダカの品種はありますか?また、両方 ●淡水魚&海水魚 ふつう、魚は淡水か海水かのどちらかにすんでいます。そのため、淡水魚と海水魚とでは、からだのしくみが正反対にできています。 では、メダカはなぜ、海の中でもおよぐことができるのでしょうか。 淡水魚は、ひれやえらから水がからだの中にはいってくるので、この水を尿としてどんどんださなければなりません。また塩類は食べたえさから、一部はえらからとりいれ、体液のこさを調節します。 いっぽう海水魚では、ひれやえらから塩類がからだの中にはいってきて、からだの中の水分がどんどんでていってしまいます。からだに水分をおぎなうため、つねに海水を口からのみこみ、えらから塩類を体外にだして、体液のこさを一定にたもっているのです。いいかえれば、淡水魚のからだはつねに水ぶくれになるのをふせぎ、海水魚のからだはつねに脱水状態になるのをふせいでいるということになります。 じつは、メダカには、この二つのしくみがからだにあるのです。川でも海でも、元気におよぐことができるのはそのためです。 このほか川と海をいききするサケやウナギ、ハゼなども、両方のしくみをからだにもった魚として知られています ●メダカはからだの色をかえる名手 まっ黒なうつわにいれて黒っぽくなったメダカ10ぴきを、白いうつわにいれました30秒後には、白いうつわにいた10ぴきと同じ色に変色しました。どんな魚でも、環境にあわせ、からだの色をかえることができます。環境がかわると、魚の目の神経のはたらきで、皮ふの中の色素胞にふくまれている色素のつぷがうごきます。これにより、からだの色がかわるのです。 色の変化の度合は、その魚が何種類の色素胞をもっているかでちがってきます。からだの色をかえる変身術は、天敵の目をごまかし、身をまもるための手段です。 ●メダカは環境の変化に強い メダカほど、水質や水温の変化に強い魚はほかにいません。メダカはそれぞれの環境にあわせて、からだのしくみをすばやくかえることができるのです。 海の水がまじる干拓他の用水でも、メダカは繁殖することができます。真夏の日ざしでぬるま湯のようになった水たまりでも、真冬に氷がはった浅い他の底でも、たえることができます。 ● メダカの飼育と観察 メダカは、バケツでも、飼うことができます。しかし、メダ力を観察したいなら、大きなガラスの水そうで飼うにかぎります。いままでみてきたメダカのくらしを参考にしながら、産卵やふ化を観察してみましょう。 メダカの産卵は、早朝の3時から5時ごろにおこなわれます。おすがめすの下で舞いはじめたら、産卵の前ぶれです。メダカをおどろかさないように、観察しましょう。 たまごは、おやとべつの水そうでふ化させる方法があります。毎日つづけてたまごをとれば、成長のちがいもわかります。 ●観察するたまごの採集方法
●卵の発生を観察しよう 受精した卵は、すぐに発生をはじめ、卵黄の表面に分割したたくさんの細胞が集まって胚盤ができます。 この白っぽい胚盤のかたまりが、時間とともに、メダ力の稚魚の体へと成長します。水をいれた小さな容器に卵をいれ、卵の発生を観察してみましょう。 メダカの卵は透明なので、4〜10倍の虫めがねがあれば、細部まで観察ができます。 卵の中での子メダカの体ができあがってゆくことを発生といいます。魚の卵の発生は、水温が高ければ早く、低ければ遅くなります。 メダカの場合、水温が25℃ぐらいになると、産卵後10日ほどで子メダカがふ化(誕生)します。子メダカは、親とは別に飼育します。たまごをからみつけた水草は,ガラスのちかくにならべると,観察がしやすいです。
●毎日の観察が「健康診断」 メダカは、とても丈夫な魚です。毎日の世話をきちんとしていれば、まず病気になることはありません。健康に育てられたメダカは、少々の病原菌にも抵抗力があります。何らかの原因でメダカの体力が落ちたときに、ちょうど病原菌が現れると、発病するということが多いようです。 ですから、新しい魚や水草を水槽に入れるときは、水槽内のメダカの体調に注意を払いましよう。いじめられる魚がいるときは、水草でかくれがを増やします。 毎日の観察は、えさをやるときがいちばんよい。いつもと違う泳ぎ方をしていたり、体色の違う魚がいたら注意。 病気は早めに見つけよう。病気のメダカは、小さな水槽を用意して他の魚と分ける。水槽の水と新しい水を半分ずつ使うとよい。 底面濾過は、底の砂全体がフィルタ一一の役目をします。砂はは水桶の古い水で洗うようにしましょう。 ●白いカビに注意しよう 未受精卵や死んだ卵は、すぐに白いミズカビにおかされます。このカビを放っておくと、ほかの元気な卵にも伝染します。かびた卵は、すぐにとりさりましょう。白廊菌におかされ、体が白くかびたようになったメダカもとりだしましょう。 ●病気の治療のしかた 病気にかかっている魚を見つけたら、その魚を病気治療用に準備した別の水槽に移します。 また、病気のメダカの数が全体の3分の1以上いる場合は、水槽全体に病気が広がっている可能性があるので、水槽ごとの治療を考えます。 魚の病気に使われる薬の多くは、水草にとって害を及ぼすので、投薬の前に別の水槽に移しておきます。
●病気は予防がいちばん大切 弱ったメダカは、病気や薬に対する抵抗力がありません。発病させないように健康的な魚を育てることがいちぱん大切です。 ●メダカは魚の四冠王 メダカは、ほかの魚たちにはみられないすばらしいとくちょうや能力をもちあわせています。 その1。メダカは、日本でいちばん小さな魚です。成長もはやく、えさが豊富にあるところでは、わずか四か月でおとなになります。 その2。メダカは、繁殖期間がいちばん長い魚です。自然の中で、半年ちかくも毎日たまごをうみつづける魚はほかにいません。 その3。メダカは、ほかの魚たちとからだの割合でくらべたら、いちばん大きなたまごをうんでいます。 メダカは 全長3.5センチメートルで、1.2ミリメートルのたまごをうみますが、全長60センチメートルのコイでも、たまごは1.5ミリメートルです。 コイがメダカと同じ比率でたまごをうむとしたなら、直径2センチメートルめたまごをうむ計算になります。 その4。メダカは、いちばんよび名が多い魚です。そのほか、メダカは、発生や遺伝の研究をするうえでも、かかすことができないたいせつな魚です。 ●メダカの群れの80%はめす 小さなメダカたちには、天敵がたくさんいます。だがら、子孫をたやさないためにも、メダカは、たまごをたくさんうまなければなりません。メダカの群れの80% がめすで、しかも、繁殖期間が長いのもそのためです。 ●メダカを襲う敵たち 夏の輝く太陽が、水のなかに大量の藻類をそだてます。この藻類をえさにして、たくさんのミジンコ類がそだちます。これらの藻類やミジンコなどをえさに、メダカもどんどんふえます。メダカのもつ強い繁殖力で、秋には、個体数が数倍にもふえます。 でも、水のなかの食物連鎖は、メダカでおわりではありません。池や水田には、メダカを捕食する多くの敵がいます。タガメやタイコウチは、水のなかでくらす肉食のカメムシのなかまです。落ち葉にカムフラージュして、水のなかで獲物をまちぶせします。メダカが近づくと、カマのような前脚をぱっとのばして獲物を捕らえます。そして針の□をつきさし、□から消化液をだして獲物の体をとかします。 トンボの幼虫のヤゴも、メダカにとっては、こわい敵です。水底や水草のなかに身をかくしたヤゴは、メダカが近づくと、頭の下に折りたたんでいた長い下唇をぱっとのばします。そして、先端のきばで、しっかりと獲物を捕らえます。 水のなかをオールの脚で泳ぎまわるゲンゴロウは、弱ったメダカや死んだメダカをえさにします。タイコウチやヤゴがたべのこした死骸をかたづけるのも、ゲンゴロウの役目です。においに敏感な触角をつかい、水のなかをそうじしてまわります。 池や水田の生物の世界では、複雑な食物連鎖のつながりによって、太陽の責重な恵みをむだなくつかっています。 生物は、おたがいに食う食われるという関係でつながっています。この一連のつながりを「食物連鎖」といいます。 野生でくらすメダカの群れには、いろいろな魚が混じっていることがあります。調べてみましょう。 |
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