● メダカの情報集を探そう! 春から夏の間に、自然のメダ力を探しに出かけましょう。 自分の家のまわりにメダカがすんでいないようなら、まずメダカに出会うための情報集めから始めましょう。 北海道や一部の島には、もともとメダカがすんでいないので注意してください。また、高地の池や、深い湖などでもあまり見られません。 いちぱん確実で、観察もしやすいのは、両側が草に被われた岸に囲まれた平野部の小川です。 水底にも水草が茂っているような場所なら、メダカがすむ条件としては最高です。 実は、このような理想的な小川が日本では非常に少なくなっています。田んぼの周辺の用水の多くは、岸も底も全部コンクリートで被われたものに変わってきています。
● メダカのいそうなポイントを探してみましょう。 メダカは、平地のあさい池や沼、小川、たんぽなどに、むれをつくつてすんでいる。とくに、池の底にどろがたまっていて、水草がはえているようなところには、えさがいっぱいあるので、メダカがたくさんいることが多い。 (注意:田んぼや用水に近づくときは、農家の人に一言ことわってからにしましょう。)メダカを探していると言えば、よい場所を教えてもらえるかもしれません。 排水路(用排水路)は、メダカたちの田んぼへの入口です。ここに、いつも水が流れているような田んぼを探してみましょう ただし、田んぼの中に入ったり、あぜ(田んぼの土手)に足をかけることはやめましょう。 まわりがコンクリートの用水でも、上流に行けば、メダカのすめる小川が残っているところもあります。周囲をよく見てみましょう。 ● 池や湿地で探す 池や湿地のような、水の流れていないところでメダカを見つけるコツは、岸近くにアシなどが生息水中にも水草が生えている場所を探すことです。 小さな流れでも水が注ぎこんでいるような場所なら、メダカがいそうなポイントです。水草は、かくれ場所になったり、太陽の光を浴びて光合成をし、酸素を水中に放出したりするので、メダカにとってくらしやすい場所なのです。えさになる生き物もたくさん集まっています。 水底にも注意してみましょう。底からブツブツとメタンガスが吹き出しているような場所には、まずメダカはすんでいません。 水底が泥質で、よどみには落ち葉が降り積もっているような場所を探してみましょう。 ・人影に驚いて逃げる群れを、見つけることができるはずです。 ・メダカには流れに逆らって泳ぐ性質があります。これは、ーか所にとどまってくらすための能力です。 ・メダカは、自然がよく残された場所だけでなく、家の近くの川や公園の池でも見つかる。保護している地域もあるので、採集するときは、よく聞いてからにする。 このような用水には、水草が生えることができず、大水が出ると生き物はすべてながされてしまうのです。 (注意:水マナーを守ろう! 水辺に近づくときは、必ず大人の人といっしよに。田んぼに近づくときは農家の人に許可をもらってからにする。)
● メダカをつかまえてみよう メダカの採集ともっていく道具 メダカがおよぐ前方から,目のこまかなあみですばやくすくいとるのが,メダカ採集のこつです。観察には,親メダカのおすを3びき,めすを7ひきも採集すればじゅうぶんです。たくさんいても,必要以上にもちかえらないで、あとはにがしてやりましよう。 着替え、タオル、古いスニーカー、たもあみ、ぴんどう、ふたのついた小型の水そう、フラスチスックでできたしょうゆのピン、玉網、四つ手綱、さ手綱、柄の長い玉網、持ち運び用エアポンプ(遠くからもちかえるときや,水温の高い夏には酸素不足をふせぐ)透明なビン(オス、メスをみわけるのによい)ふたつきの発泡スチロールの箱(車で採集にいくときは,水がこぼれなくて、温度も変化しにくいのでよい) ●メダカをつかまえよう 釣りの名人は、特別に作った小さな釣を使ってメダカを釣るそうです。しかし、メダカは小さいので、ふつうは網かわなで採ります。 (注意:水辺に近づいたり、川に入るときは、必ず複数の人で行動するようにします。また、子どもたちだけで行かないで、必ず大人といっしょに出かけましょう。) 暖かい季節で、水に入る場所なら、水の中に入ってみましよう。 目線が水面に近づくと、今まで気づかなかったものも見えてきます。ただし、着替え、タオルは必要ですし、水底には何かあるかわからないので、濡れてもいい古いスニーカーを必ずはくことを忘れずに。 メダカは、とてもすばしこい。たもあみですくうときは、2本のあみを両手にもって、メダカのむれの前とうしろからしずかにちかづけ、すばやくすくいあげよう。
@ ぴんどうという、ガラスでできた、小さな魚をとるための、わながある。前には、つつになった魚の入り口が、うしろには、とれた魚をとりだす、あながあいている。 イトミミズなどのえさを入れ、夜、あさい水の中こしずめておいて、よく朝とりにいく。うしろのあなには草をつめる。 ぴんどうは、最近はうっているところが少ないので、おなじようなしくみのわなを、くふうしてみよう。 A ふたのついた小型の水そうは、ぴんどうのかわりになる。メダカえをとるときは、入り□が、水面のちかくにくるような深さのところに、しずめよう。 B フラスチスックでできたしょうゆのピンでも、わながつくれる。底にあなをあけて、とりだし□にする。川では、ながされないように、おもしをつけておく。 C 太めのビニールのパイプも、片方に草をつめれば、わなになる。メダカの入り□が水面のちかくになるように、くふうしよう。 D 網は玉網、四つ手綱、さ手綱をつかいます。水草のまわりや岸から生えている草の下、水のよどみなどを網でさぐってみます。 メダカだけでなく、フナ、タナゴ、モツゴ、エピなどがとれるかもしれません。 関西地方より南では、メダカの群れにカワバタモロコがいることが多く、いっしょにとれることもあります。 水面近づく場所がなかったり、水底の足場が悪かったりする場合は、水に入るのはやめます。水に入ったときも、膝より深いところには絶対に近づかないようにしましょう。 岸が草に被われている場所は、下が見にくく、すべりやすいので気をつけます。 水に入れないときは、びんどうや四つ手綱をしかけます。柄の長い玉網も使えます。フナ釣り用のえさをしかけましょう。 *熱帯魚用の網は便利。網を両手に持ち、水草のまわりをさぐる。群れがいたら、上から叩きつけるようにしてすくう。 ● だいじにつれて帰ろう 歩いて帰れるぐらいの、ちかいところでメダカをつかまえたときは、バケツに入れて帰ろう。水は、バケツの深さの半分ぐらいにする。 ちかくで、水そうをわなにしてつかまえたときは、そのまま、はこぼう。水は、水そうの深さの6分目ぐらいにする。 メダカの数が多いときは、ピンにエァーポンプをガムテーフではりつけ、メダカが酸素不足にならないようにする。 いなかの、おじいさんやおばあさんのところでとったメダカの場合は、電車や車にのって、とおいきよりをはこばなくてはならない。そんなときは、インスタント・コーヒーのビンなどにメダカを入れて、ふたをしてはこぶ。水は6分目ぐらいにする。ビンは、紙ぶくろに入れて、日光をあてないようにしよう。温度が高くなると、メダカが弱ってしまうからだ。 *エアーポンプを使って水槽の水に空気を送ると、水中に酸素を強制的に溶けこませることができるからです。 ●メダカの運搬方法 つかまえたメダカは、できるだけ早く水槽などの飼育容器に移すようにしましょう。そのためには、家に帰る時間にあわせて採集するなど、メダカのために気を配るようにします。 メダカは皮ふが弱く、乾いた手はもちろん、網でこすれただけでも、そこから病気になりやすくなってしまいます。水ごとメダカをすくうなど、なるべく大切に扱いましょう。 採集したメダカはバケツに入れておきます。そのまま運べる場合は、水の量を3分の1くらいにしておきます。これに電池温度の上がりすぎに注意。 ビニル袋はできるだけふくらましてゴムでしばる。息を吹きこんではいけない。水温は20℃以下に保つ。 *登山用の酸素ボンベがあれば1〜2日はだいじょうぶ。水の董よりも酸素の入る空間を多くする。 電池式のエアーポンプで空気を送ることができれば、いちばんよい方法です。
バケツでは運搬に不便な場合は、ビニル袋やペットボトルを利用します。どちらも、水の量は少なめにして空気の部分を多くします。この方法は簡単ですが、メダカの数を10匹までにす る必要があります。また、20℃を超える気温のときは、長時間の移動にはむきません。 たくさんのメダカや暑い時期に運搬するときは、酸素ボンベやエアーポンプを利用しましょう。ビニル袋ごとクーラーに人れてもよいでしょう。数をよくばらないこともコツです。 |
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