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オスとメスの違い
オスの頭部と胸部には長い角があるが、メスにはない。体長は角を除けば、ほぼ同じじ。体や角の大きさは、幼虫の時の栄養の取りかたで違い、幼虫の時にたべものが少なく、栄養がたっぷり取らないと、小さくなってしまう。体のつやはオスの方がよく、色の方は黒っぽい。前足のすねの幅はメスの方が広く、中あしと後ろあしにあるとげの数もオスとメスで違う。
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カブトムシの目 |
カブトムシは夜活動する。夜行性の昆虫の多くは視覚よりも、嗅覚が発達している。カブトムシにも1対の複眼があるが、それほどよく見えるとは思えない。複眼は個眼と呼ばれる小さな目の集まりだ。カブトムシでは1500ぐらいの個眼が複眼を作っている。 |
触角 |
カブトムシには鼻はないが触角は1対あり、先端が開くようになっている。飛ぶ前などに先端の太くなった部分が開く。これでにおいを感じる準備ができる。飛んでいるときは触角は開いているので、においを頼りに樹液のありかを探したりするようだ。
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大顎、小顎、上唇、下唇 |
カブトムシの口は大顎、小顎、上唇、下唇からなっている。下唇には下唇ひげがあって、これでエサの味などを知るらしい。口には小顎が変化してできたオレンジ色のブラシのような毛の束があり、これで樹液をなめる。咀嚼する口はないからエサは液状のものに限られる。
ブラシのような口は普段は隠れていて、先端だけがわずかに見えるが、エサのありかを感知すると伸びてくる。
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角 |
カブトムシという名前はオスの胸と頭の形が戦国時代のカブトに似ているからだ。頭の長い角は頭を上下に動かすことで角も動く。角は主にオス同士の戦いの武器として使われる。カブトムシは個体によって体の大きさに変化があり、体の大きいものは角も長い。角が長ければ力がでるから、大きいほど戦いに有利である。 カブトムシの角の内部は海綿状で外側は硬い皮膚がおおっている。中が中空に近いので強度も強く軽い。カブトムシの角の先を見て見ると二股に分かれているが、大型の個体ではさらに先が2つに分かれる。 |
脚 |
脚は胸に3対6本ある。脚は付け根の方から腿節(たいせつ)、頸節(けいせつ)、ふ節に分かれ、ふ節に爪がついている。腿節は脚を動かすのに用い、頸節の先の棘が木の幹をしっかりととらえて木を登る。だからつるつるした場所を歩くのは苦手だ。カブトムシを木からはがそうとすると鋭い爪で木にしがみつく。だからカブトムシが力を出すためには頸節と爪が重要な役割をする。 |
翅 |
カブトムシの翅は4枚で、2枚の固い前翅と柔らかい後翅でできている。後翅はうすいが、パイプ構造の丈夫な翅脈がある。この翅脈は飛ぶときに翅を支える役目をする。凧の骨組みと同じような役目をしているのだ。
後翅はとまっているときは前翅の下にたたみ込まれている。前翅を開くと、後翅が自動的に開く。扇子を開くように折りたたまれていた翅は横いっぱいに広がる。後翅を激しく上下させることで、カブトムシは空中に舞い上がる。
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