湘南の古都鎌倉
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鎌倉散策道【寿福寺・英勝寺・浄光明寺】
寿福寺
(じゆふくじ)〈臨済宗、もと鎌倉五山第三位)

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 総門から山門への光と験の織りなす石畳の長い参道は、鎌倉の寺院中でも屈指の景観である。
 新緑のまばゆいころや晩秋の紅葉の散るころは、とくに印象深い。 仏殿が拝観できるのは、一般には4月中旬の〈鎌倉まつり〉の期間中に限られる。しかし静寂な寺のたたずまいは、山門周辺から十分にうかがい知ることができる。山号は〈亀谷山〉という。
 諸堂は拝観できないので、境内の静寂感を楽しみながら仏殿裏の高みにある墓地へ。西と北の崖にやぐらが口を開いているが、西側に高浜虚子と大佛次郎の墓、北側には北条政子と源実朝の墓と伝わるやぐらがある。
 寺のある扇が谷一帯は、源頼朝の父義朝の屋敷跡とされる。
 鎌倉入りした頼朝は父ゆかりのこの地に館(幕府)を建てようとした。だが、亡き父の御堂があったことや、館の用地としては狭すぎることから断念したという。
 鎌倉五山第三位の壽福寺は、北条政子が栄西を開山に招いて、1200(正治2年)に建立された。
 栄西は日本に初めて臨済宗を伝えた。総門からまっすぐに続く石畳の左右に繁る木々が幽玄な雰囲気を漂わせる。
 この地は、かつて奥州討伐に向かう源義家が勝利を祈願したという源氏山を背にした源家父祖伝来の地でもある。
 壽福寺建立は頼朝の遺志をかなえることでもあった。
住所 鎌倉市扇が谷1−17−7
電話  0467-22-6607
拝観料 無料
拝観時間  総門から中門まで拝観自由
アクセス  JR鎌倉駅西口から徒歩10分
寿福寺・寺史さらに詳しく
宗派   臨済宗建長寺派
山号寺号  亀谷山壽福金剛禅寺(きこくざんじゅふくこんごうぜんじ)
創建   1200(正治2年)
開山  栄西
開基   
本尊 宝冠釈迦如来
寺宝
  栄西著「喫茶養生記」、木造地蔵菩薩立像などはいずれも国重文に指定され、鎌倉国宝館に寄託されてい
る。
英勝寺
(えいしようじ)(浄土宗(じょうどしゅう))

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 北鎌倉から鎌倉へ向かって右手、横須賀線の車窓から見える東光山英勝寺は現存する鎌倉唯一の尼寺である。四季の花が絶えることのない花の寺は、近年まで非公開だったが、現在は拝観できるようになった。
 一般公開はされないが、清楚な境内に二層の屋根を置く仏殿は、均整のとれた堂々たる建物である。本尊の阿弥陀如来像は、徳川幕府第三代将軍、家光の寄進したものだという。
 開基である英勝院尼は太田道濯から数えて四代の孫康資の娘・お勝の方と呼ばれ、徳川家康に仕えた。水戸家初代徳川朝房の養母をつとめ家康の死後出家し、英勝院と号した。
住所 鎌倉市扇ガ谷1−16−3
電話  0467-22-3534
拝観時間  9時〜16時
アクセス  JR鎌倉駅西口から徒歩10分
英勝寺・寺史さらに詳しく
宗派  浄土宗
山号寺号  東光山英勝寺
創建   1636年(寛永13年)
開山   玉峯清因
開基    英勝院尼
本尊 阿弥陀如来
寺宝
 本尊木造阿弥陀三尊立像ほか
浄光明寺
(じょうこうみょうじ)〈真言宗〉

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 泉が谷の奥、鎌倉文士の1人、里見惇の旧居を過ぎると浄光明寺はある。
 山門を入ると右に不動堂、、左に客殿・庫裡、石段を登って本堂(阿弥陀堂)・開山堂、そして、鎌倉の代表的仏像である阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう)と地蔵菩薩像を安置する収蔵庫がある。 源頼朝の願いで文覚上人(もんがくしょうにん)が建てた堂が始まりと伝えられる。その後、1251(建長3年)、鎌倉幕府の六代執権の北条長時が真阿(しんあ)(真聖国師)を開山として創建した。
1333(元弘3年)には、後醍醐天皇の勅願所(ちょくがんじょ)となる一方、真言・天台・禅・浄土の四つの勧学院を建て、学問の道場としての基礎を築いた。また、足利尊氏は1335(建武2年)、この寺にこもり、後醍醐天皇に対し挙兵する決意を固めたという。尊氏・直義兄弟の帰依は厚く、寺領や仏舎利の寄進を受けたと古文書にある。
 本堂横の収蔵庫には本尊の阿弥陀三尊像と地蔵菩薩立像が安置されている。地蔵菩薩立像は矢拾地蔵(やひろいじぞう)とも呼ばれ、足利直義の守り本尊であった。
住所 鎌倉市扇が谷2−12−1
電話  0467-22-1359
拝観時間  境内自由
(収蔵庫の山上拝観は、木・土・日・祝祭日の10時〜12時・13時〜16時で、雨天多湿の日は中止。拝観料 200円)
アクセス  JR鎌倉駅西口から徒歩15分
浄光明寺・寺史さらに詳しく
宗派  真言宗泉涌寺派
山号寺号  泉谷山浄光明寺(せんごくざんじょうこうみょうじ)
創建   1252(建長3年)
開山   真阿(真聖国師)
開基    北条長時
本尊 阿弥陀三尊
寺宝
 本尊と両脇侍の木造阿弥陀三尊像は1299年頃の作(国重文)。鎌倉地方の仏像彫刻の秀作のひとつで、本尊衣紋の土紋装飾、脇侍の姿勢の高く結いあげた宝髻などに宋朝様式の強い影響が表れている。五輪塔(重文)、木造地蔵菩薩立像(矢拾地蔵・県重文)、愛染明王像(市文)など。また僧形八幡・弘法大師画像(瓦の御影・市文)、三千仏画像、真聖国師画像、ほかに江戸時代の絵画も多い。
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